きいたら、ききたい/森川由加里


作詞:伊藤アキラ
作曲:馬飼野康二
編曲:?


今回は僕も音源を持ってない特殊な曲を取りあげたいと思います。





この曲、僕もつい昨日まで、曲名も誰が歌ってる人かも知りませんでした。
ところが、MOSAIC.WAVのWEBラジオで紹介されて詳細が分かり、
こうやってyoutubeやニコ動で聞く事が出来るようになったので、
感動のあまり紹介したいと思います。



この曲は1990年代、TBSラジオの日曜深夜、
全ての放送が終わった時に流れます。
この曲の後に休止時間があり、
月曜朝からまたラジオが始まる、という流れです。


関東のTVはほぼ24時間やっているようですが、
僕が住んでいた田舎は、TVは24時〜26時には終了してしまいます。
しかし、ラジオは違います。
ラジオだけは、24時間休むことなくオンエアされているのです。
その感覚が非常に好きでねえ…

学生時代…
親も寝静まり、TVも終了し、静寂に包まれた街ですが、
ラジオだけがまだやっている。
ラジオだけが賑やかで、
ラジオだけが闇夜にともる唯一の灯りみたいな感覚。
寝ながら聞くと余計に染み渡るというか浸透するというか…


そんなラジオも、唯一24時間やらない、休止する時間帯がある。
それが日曜深夜だ。
日曜深夜になると、ありとあらゆる放送局が放送を休止する。
その度に「まだやってる放送局は無いかな〜」とチャンネルを回し、耳を傾ける。
30分経ってその放送局が終わると、また別の放送局へ…
そんな事をやっていました。


で、TBSラジオ
大体25:30や26時頃に終了する事が多かったのですが、
北野誠 世紀の雑談」みたいな月1レギュラーもあり、
遅くまでやる事も多く、良く聞いてました。


そんなTBSラジオが終わってしまう…
日曜夜が終わってしまう…
明日から月曜、学校の一週間が始まってしまう…
様々な感情が入り混じる中、寝たいような寝たくないような
そんな気持ちを抱きながら、聞く曲がこの
『きいたら、ききたい』なのです。


この曲の良さ…それは何よりも、刷り込みです。
僕のラジオ体験、毎週毎週…とまではいかないものの、
月に1〜2回は聞いていたであろうこの曲、
ラジオに馳せる思い…そういうのが乗っかっているからこそ、です。
個人的には雪国育ちなので、
雪の積もった、雪が音を吸収する静寂の中、
部屋は寒いけど布団は暖かい、
というシチュエーションがよりグッときます。



とはいえ、もちろん楽曲も良いです。
まず印象的なのは詞でしょう。
「○○は××に△△を聞いた」という歌詞が、
どれもこれもグッと来ると言うか、
ハッとさせられるというか…

最も印象的なのは2番の信長のくだり。
この1行で、何か感じさせる、
考えさせられるものがあるんですよねー。
ちょっと涙腺緩むレベル。

それぞれ歌い方が違うのも良い。
「ここほれワン」は可愛らしく、
信長の所はシリアスに、というのもグッと来ます。
90年代女性ボーカルは僕の好みではありますが、
やっぱこの時代の人の声はいいなー、と
ひいき目ですが思ってしまうのです。



曲自体もノリも良く展開も良く
「聞いたらはじまる」の掛け合いなんかは
ツボ要素でしょう。
間奏の激しいギターやSAXも非常にいい!
単純にいいし、90年代っぽくて良いとも言える。


放送が終わる切ないシチュエーションでありながら、
ノリの良い明るい楽曲、
しかし印象的なワードを散りばめて明るいだけでは
終わらない詞の完成度など、
この特殊なシチュエーションに見事にマッチした名曲だと思います。


しかしこの曲の詳細が分かって残念な事が。
いつか僕はこの音源、CDを手に入れるのが夢だったのですが、
どうやらCD化されていないようで…
当時は「きっとTBS本社に行けばこのCDが売っているに違いない!」
と妄想していたんですが…






詞:15%
曲:12%
ボーカル:3%
ラジオ&シチュエーション:70%


森川由加里の所有CD
・who are you?(森川由加里with鈴木雄大