俺とPAMELAH

高校時代、ラジオのカウントダウン番組をチェックしたり、
オリコン立ち読みしたりMステやCDTVポップジャムといった
音楽番組を見ていた俺は、大体オリコンの50位以内の曲は分かってた。
当然PAMELAHもリアルタイムで知ってて、
結構いいな〜とは思ってましたが、
当時の財政事情もあり、「BEST待ち」という事にして
CDは一切買わなかった。


そして97年12月。
ついに発売されたBEST。
もうジャケットからして最高。
何て言うの?あの特殊なパッケージ。
デザインも格好良かったし、全体的な色合いも好きだし、
何より用途不明のディスクリップ!
あれがすげーお買い得感を増してた。
一回も使った事ないけど。

あと何かすごいいい匂いがしたんですよ。
前述のディスクリップの匂いなんでしょうか。
ちょっと紅色を連想させるとてもいい匂いがジャケットからしてて、
俺が匂いフェチなせいもあり、かなりお気に入りでした。




肝心の内容ですが、はっきりいってシングル曲しか聴いてませんでした。
当時の俺は気に入った曲しか聞かないし、基本アップテンポの曲を
好むので、シングルのアゲな曲ばっか聞いてたんですよ。
それでも『It's my fault』はベタだけど名曲なメロディラインに
聞き惚れてましたし、『Shooting Star』あたりも聞いてたと思う。
でも『掠奪』なんかは暗いし盛り上がんないし全然好きじゃなかったんですよ。

当時の音楽の聞き方は、曲と詞だったら10:0の割合で曲だったんですよね。
詞なんて9割方恋愛の詞ばっかりじゃないすか。
そんなの彼女イナイ歴=年齢の男が聞いてもピンとくるはずないし、
常々「なんでこんなにいっぱい曲あるのにどれもこれも恋愛の詞ばっかりなんだ?」
と疑問に思ってましたからね。


そんなこんなで当時の評価はBランク。
当時Sランクだったプリプリや久宝留理子には遠く及ばない感じでした。



時は流れ98年秋。
大学生になった俺は人生で初めてのバイトに挑む。


そこのバイト先にK藤さんっていう16歳の女の子がいましたが、
彼女とは結構音楽の話が合ったんですよ。

高校時代のクラスメートといえば
B'z,DEEN,WANDS,FIELD OF VIEW,TUBE,LUNA SEA,ラルク,ミスチル,GLAYとか、
まあその辺りの当時人気の男性ボーカルの話しかしないんですよ。
これがガールポップ好きの俺としては苦痛で苦痛で。
せめてジャニーズとかRAZZ-MA-TAZZとかFLYING KIDSとか
accessとか東野純直とか中西圭三辺りで盛り上がってくれれば
良かったんですけど、
唯一熱狂的なKIX-S好きが一人いたくらいで、
それ以外とは全然話が合わなかったんですよね。


でもK藤さんはガールポップの話で盛り上がる事が出来ました。
PAMELAHの事も知ってたし、彼女が好きだという広瀬香美岡本真夜
俺も結構好きだったんですよね。
ASAYANもよく見てたしさ、とにかく俺が会ってきた人間の中で、
最も音楽の趣味が合った人間だったんですよ。


そんなK藤さんですが、音楽を聞く時は詞を重視するって言うんですよ。
「俺とこんなに音楽の趣味合うのに、そこが合わないのはオカシイ。俺も詞とか見てみよっかな…」
と、歌詞カードを見ながら音楽を聞いてみる。
そして取り出したるはPAMELAHのベスト。


歌詞カードを見ててある歌に目が留まる。
「なっ、なんじゃこりゃあああああ!エロすぎる!!!」
といったら、ぱめら〜の中ではこの曲しかありません。
そう、『掠奪』です。


今思えば80年代、或いはそれ以前の歌ってエロい歌がいっぱいあるんですけど、
当時は(つーか今もだけど)昔の歌なんて全然知らなかったので、
「こんなエロい歌、大丈夫なの?」って心配になっちゃうほどだったんですわ。
作詞を務めるボーカルの水原由貴はMステとかで見たことはあったけど
こんな事書きそうな人じゃないんですよ。俺の中のイメージでは。
だから余計にカルチャーショックで。
「スキな人とじゃないとイケない」って、「イケ」がちゃんと
カタカナ表記になってるんですよ?マジあり得ね〜って感じで。


で、他の詞も良く見てみたら、まあ素晴らしい。
基本は俺の嫌いな恋愛詞なんだけど、
この人の詞は女に縁が全く無い俺でもグッと来たんですよ。

別に国語の時間で表彰されるような詞じゃないんですが、
口語体でわかりやすいモノが多かったんですよね。
また詞が可愛いんだわ。
曲を聞いてただけでは気付かなかった
『Shooting Star』のハートマークや星マーク、
『I Shall be released』の×マークとか(今だったら顔文字が入りそうなとこ?)、
そういうのがたまらなく良くてですねえ。

他にも『BLIND LOVE』の「あの日の私にケリ入れたい」とか
『SPIRIT』の「気持ちに嘘つくような事はやめて YESのイイコは卒業しよう」とか
まあとにかく挙げていけばキリがないほど名フレーズが多くて、
もちろんピンポイントな名フレーズだけでなく
『いとしいキミ』や『Shooting Star』なんかの全体の世界観とか、
本当に衝撃だったんですわ。


これでPAMELAHに激ハマリした俺はアルバムを買い集めます。
またそれがいい曲多くて。
『SPIRIT』の『EVERYTHING』から『恋のルール』の繋ぎなんて最高じゃね?
詞も(・∀・)イイ!!曲も(≧∀≦)/イイ!!
『Best Chance』や『コントロール』といった女性から
誘うタイプの詩も結構あって、それがまた童貞心をくすぐるというか、
萌えるんですよねえw

そんなわけで全曲集めて俺の中のS級アーティストとして長きに渡り君臨しました。




俺の中のPAMELAHの魅力というと詞です。
曲以上に詞です。
でも曲ももちろんいいです。

音楽の事詳しく無いから上手く言えないんだけど、
曲の構成がシンプル。悪く言えば全部一緒なんだけどさ、
変なクラシックのアレンジとか一切無い、
ノリのいいビート+小澤さんのギター、
そのシンプルさが10年以上経った今でも
飽きずに聞いていられるんですよね。

そこに重なる水原由貴のボーカル。
ちょっと無機質で無感情っぽい。それがこの打ち込みなサウンド
マッチしてしつこくない。サラッと聞けるんですよね。


捨て曲がほとんど無いのもポイント。
当時は好きな曲は聞くけどそうで無い曲は一切聞かない、
って感じだったのですが、PAMELAHの場合は
『stay cool』とリミックス以外全部聞ける。
俺は結構好き嫌いが激しくて、捨て曲とか多くなりがちだからさ…
この捨て曲の少なさはかなり高得点なんですよ。
曲が大体4分以内と短めなのも好印象。


で、俺のツボ要素その1として、コーラスがあります。
つってもボーカルは水原一人なんで、レコーディングかなんかで
機械的に重ねたコーラスなんだけどさ、それがいいんですよ。
一つのメロディに水原下パート、水原上パート、水原主旋律、みたいな重なりが
いっぱいあるんですよ。さすがに熟知はできないけどさ…
それを聞いてるだけでも楽しい。
また『曖昧』みたいに曲中に「AH」の連呼や歌詞カードに無い歌詞なんかも
良く出てきて、その辺がアイドル好きの魂に火を点けるんですよね。


俺のツボ要素その2として、星要素があります。
俺は打ち込み系の曲って好きだけど、ああいう曲ってキラキラしてんじゃん?
で、そういう曲を聞いてる時に俺は無意識のうちに
星空(のようなもの)を連想してるんだけど、
詞でも星要素を補完してくれるともっといいんですよ。
で、PAMELAHはというと
キズナ』の「星空に手を伸ばせば〜」とか
『CONFIDENCE』の「名前を知らない星たちが〜」とか
『TWO OF HEARTS』の「長い星の廊下広がる〜」とか
『I shall be released』の「流れ星 追い越して〜」とか
とにかく星って言葉が頻出するんですよ。
それがまた嬉しくて。
絶対水原星とか空とか好きですよね?
そういう曲と詞が一体となったキラキラ感…それがたまらないんですよ。


あと水原のポニーテール姿最強説。