俺とパーキッツ

2002年6月…某ゲーセン会社に入社した俺は、
二ヶ月の店舗研修を終え、所属となる東京本部にやってきた。
そんな新人の俺に与えられた仕事は
「MR…マーケティングリサーチ」。

右も左も分からない新人。
とりあえずこの業界の事を知っておかないと話にならないので、
いろいろなお店を見て勉強しておけ、って事ですな。
ウチの会社は、ショッピングセンター(以下SC)に
ゲーセンを出店する会社だったので、ゲーセンだけでなく、
SCの知識も必要。
毎日近場はもちろん、千葉やら横浜やら多摩やらに
足を延ばしては、いろいろ見て回るという、
「仕事かよコレ?」っていうような仕事でした。
普通に買い物したりゲーセンでゲームしてたし。
いやほら、ただ見て回るだけじゃ怪しいじゃん?
一応買い物したりゲームしておけば客って扱いになるしさ。



そんなわけで、毎日のようにゲーセンに行ってたわけですが、
その時、ポップンミュージックのデモ画面から聞こえる曲で、
やたら耳に残る曲があったんですよ。



俺の私感ですが、当時ポップンミュージックは、それまでの
音ゲーファンのためのゲームから、一般層、特に女子高生にもウケ始めた時期で、
ゲーセンだけでなく、小規模SCの屋上の片隅や、
ファンシー雑貨屋の店頭にも並べられ、しかもそんなロケーションで
大会まで開催されてるような状況だったんですよ。
まあ、それだけポップンミュージックが目について、
耳にする機会が多かったってわけです。


あんまりにもその曲が気になったので、
ポップンプレイして、確認しようと思ったんですよ。
しかぁし!!!
このゲーム、曲を選ぶ時に、ちゃんと曲のサビが流れてくれるのですが、
俺がゲーセンでさんざん耳にしたのはイントロ部なので、
サビを聞いて判別する事は出来ません。
アーティスト名&曲名も知らないわけだし、
無数のポップン曲の中から一曲一曲プレイして確認するのは
結構な労力です。



そんなわけでゲームで確認するのは諦め、サントラを買います。
多分中古。
そしたら判明するわけですよ。
曲の正体は、パーキッツの『チェイスチェイスチェイス!』。
しかも、サントラにはロングバージョンまで収録。
これが大きかった。
この曲はすぐにオキニになり、俺ベストなMDにも収録。
これでパーキッツの事が気になりだし、アルバム「ハミングバード」を買います。


しかし、正直「ハミングバード」はイマイチでねえ…
チェイスチェイスチェイス!』と
Ping×Pong×Dash』という二つのポップン曲が最高なんですが、
それ以外がそんなでもなくて。
いや、それ以外もいいんですが、俺の好みが
チェイスチェイスチェイス!』や『Ping×Pong×Dash』のような曲で、
それ以外を聞く気になれなかったんですよね。



だが、次のアルバム「パーキィ・サークル」は違った。
ポップン曲は相変わらずのクオリティ、更にアニメのタイアップがついた
『らびゅ らびゅ』&『あしたになあれ』がポップン曲並のクオリティ。
その上アルバムオリジナルの『Polaris』『おせっかい天使』
『フローズン・ハート』あたりも聴き応えがあり、かなり強力な1枚となります。
そうした状態で「ハミングバード」も聞き直してみると、
『Filament Circus』や『駅』『Skylove』あたりの曲も気に入りだし、
俺の中でパーキッツ株が急上昇。
PAMELAHに次いで好きなアーティストになるわけです。








パーキッツの魅力、それは何と言っても曲です。
夢とか希望がイッパイ詰まった、子供の笑顔が浮かんでくるような、
聞いてると幸せな気分になれるキラキラ眩しいピュア100%の曲です。
もちろんそうでない曲もあるんですが、俺がオキニな曲はだいたいそんなんです。


矢野顕子に似たボーカル(友人談)も、ピュア感を増してるとはいえ、
そんなにいいとは思いません。
音だって、どちらかといえば安っぽい部類に入るでしょう。
なにげに似たような展開&メロディの曲も少なくないです。


でもそんなのが霞む位、パーキッツの曲は素晴らしい。
俺もいろんな曲聞いてますが、
やっぱりこの幸せなピュア感は、他のアーティストには無い、
唯一無二の存在なんですよ。それがいい。





俺ツボ要素その1として、イントロの良さが挙げられます。
このイントロって、ここ数年かなり重要だな、と思うようになりまして。
iPodで音楽聞くようになってから、気に入らない曲があると
「あ〜パス!これもパス!」っていう風に、どんどん曲送り
しちゃったりするのですが、これがいいイントロの曲だと
「w( ̄△ ̄;)wおおっ!この曲聞いてみようかな?」とか思うわけで。
逆にサビが良くてもイントロがイマイチだったりすると、
そこまで我慢出来なくて飛ばしちゃったりするんですよ。


で、パーキッツですが、元々好きになったキッカケが
チェイスチェイスチェイス!』のイントロだったわけで、
その辺のすり込み具合も含めて、かなり鉄板です。




俺ツボ要素その2として、コナミらしさがあります。

コナミ…たいしたメーカーですよ。
ときメモでギャルゲー路線行ったかと思えば、
パワプロウイイレスポーツゲームもトップレベル。
音ゲーで一大ブームを作ったかと思えば、
ゲーセンネトゲーの先駆者として
麻雀格闘倶楽部マジアカで成功を収める。
ゲーム以外の事業にも手を出し、そりゃあもう大企業ですよ。
それ故叩かれる事もあるみたいですが、基本的には好きなメーカーです。

ただ、俺の中で「コナミといえば?」と言われて、真っ先に思い浮かぶのが、
「曲の良さ」。
それもファミコン時代の、矩形派倶楽部とか健在だった頃の曲の良さです。
当時の俺にとって、コナミは<最もゲームミュージックが好きなメーカー>でした。
グラディウス、ぼくってウパ、ドラキュラ、ゴエモン
コントラ、コナワイ、シャロム、パロディウス月風魔伝
エスパードリーム、もえろツインビー
思い出しただけで胸が熱くなる名曲ばかりです。
それに曲の良さだけじゃない。
コナミゲームミュージックって、音質も他メーカーの
ゲームより良く聞こえたんですよ。
気のせいかもしれないけど。




時は流れてコナミ音ゲーを流行らすわけですが、
筆頭となったビートマニアDDRってクラブ&ダンス系の
曲じゃないすか。
別にいいんですけど、俺がコナミに求めるサウンドって、
あの頃のファミコンサウンド、或いはそんなテイストの曲だったんですよ。
だから、音ゲーコナミという世間のイメージがありながら、
サウンドはあの頃じゃない、ってのが結構嫌だったりして。

しかし、パーキッツの曲を聞いて痺れた。
「コレだよコレ!俺の求めていたコナミらしさは!」
なんつーか、あの頃のコナミを感じさせるサウンドだったんですよ。
最初パーキッツなんて全然知らないからさ、
てっきり矩形派倶楽部の人かと思ったもん。

パーキッツは今でこそポップン用に曲書いてますが、
最初は元々あった曲をポップンに提供してただけで、
コナミとは全然関係ありません。
ポップン以前から普通に活動してたユニットだし。
なのに、何でかわかんないけど、コナミっぽいんですよ。
まあ、プロデューサーが矩形派倶楽部の人(Nazo2 Suzuki)だから
(この辺もよく分かんないんだけど)、
その影響って事なのかもしれませんが、プロデューサーが曲書いてるわけでも無いし。
賛同者ゼロかもしれませんが、とにかく俺はそう思うわけで。

俺は音楽好きですが、その原点となったのは
ゲームミュージック。それは間違いないし、
原点故にこれから変わりようもありません。
そんなゲームミュージックのテイストを何故か感じさせてくれる
パーキッツサウンド、これが、俺がパーキッツ
支持する理由の一つです。





俺ツボ要素その3はピアノ&キーボード!
まあ、曲の良さとイコールなんですけどね…